……ちょっと痛い。あと苦しい。
もがきながらも、なんとかお母さんの腕から逃れる。
無事でいられていることに内心ほっと息をつきながら中に入ると。
「おかえり」
今度は嬉しいもう一つの歓迎。
世界で一番可愛い弟がちょうど階段から降りてきたところだった。
「ただいま、昴」
言いながら、控えめに腕を広げる。
もちろん、可愛い弟からのおかえりのハグ待ちだ。
私の行動の意味を知る昴は、あからさまに顔を引きつらせる。
「……おかえりなら今言った」
「うん、言った。言ったけど…」
そこは行動で示して欲しいというのが姉のささやかな願いだ。
私の言わんとすることを理解した昴は小さくため息をついて、側に寄ってきた。
流石は私の可愛い弟、何でもお見通し。

