5人の王子とお姫様!




そこにいたのは、無表情を通り越して冷めた目をした空。



「えっ…そ、空くん!!」


周りを囲む女子たちの慌てて取り繕う顔が、ひどく滑稽に見えた。


……私、性格悪い…?



「やっ、これはそのっ……ね?ち、違うの!!この女がっ…!」


言い訳にもならない言葉で無駄にまくし立てられて、挙句、指をさされる。


流石に思うところはあるけど、口を出すのも気が引けた。



「えと、あっ…あの…」


「……だれ」


「…え?」


「あんたら、だれ…?」



間の抜けた相手の女子の返しに、もう一度繰り返された心地の良いテノール。


まさか、彼女たちは気づいていないのか。


空が怒っていることに。



「俺は、あんたら……知らない」


小さく顔を傾けた空の前髪がゆったりと横に流れる。