光邦にしては変に気を遣っていておかしいなとは思ったけど、そもそも仕組んだ光邦に言い訳する余地はない。
それでもやっぱり、気になる。
考えていたこと。
光邦がダメなら、それなら……
そう思って、光邦の腕に、自分の腕を絡めて引き寄せた。
「…!?」
それは、一瞬だった。
光邦の驚いた顔が、今起きた全てを物語っている。
「これで、お題クリア?」
実況の人に問いかけると、一息の静寂の後……
辺りは熱狂に包まれた。
『なっ、なんとなんとなんとぉ!?柳瀬さん自ら、夏目くんのほっぺにキスをしましたぁああ!!
これには実況の私も言葉を失ってしまいました!
予想外の展開ですが、これはこれでクリアとなります。2-Eに45点が加算されました!
さあ、また分からなくなってきましたね!』

