5人の王子とお姫様!




楓斗の手が差し入れられて、光邦がそれ以上近付くのを阻んだ。


と思えば、後ろから聖に口を塞がれて引き寄せられた。


見れば、光邦の首根っこは空に掴まれていて、それ以上の進行が阻止されている。



「ち、ええとこやったのに。ほんで、何で空まで邪魔すんねん」


「天音は、ダメ」



不満げな光邦に、ぽつりと呟いた空のこんな行動が珍しいといえば珍しい。


みんな、どうしたんだろう…。


ぼんやりと眺めていると、楓斗の声が冷ややかに飛んでくる。



「お前はバカなのか。少しは落ち着いて事を考えろよ」


「…至って冷静」



やんわりと聖の手をはがしながら、何で怒られているのかも分からないまま静かに言った。



光邦は確かにキスをしようとしていた。


けど、どうせ本当にするわけじゃないし。


矛先から見て、頰にでもしようとしていたんだろう。