「ずるーい、みっつー!狙ってたの!?」
「こないなんはな、頭を使わんと損やで」
「一番遠い人がそれ言っちゃダメぇ!なんかいろいろ冒涜だから!」
「なんやてぇ!?」
もう、何が何やら…。
どうしたらいいんだろう。
どう切り抜けようかと思案していると、ガッと肩を掴まれた。
ビックリして見ると、思いのほか光邦の顔が近くにあってまた驚く。
「でまあ、天音。キスしてもええか?」
「…なんで?」
「う、いや……何でと言われてもなあ…。
まあ、助けると思って!なっ?なっ?」
ぴくり。
光邦の言葉を聞いて、私の耳が動いた。
光邦の顔をじっくり見上げる。
……光邦、必死な顔。
すごく真剣な顔してる。
爆弾発言……って、言えばいいのかな。
とにかくそんな感じのことを光邦は言ってくるし、問いかけても全然答えになってないから、ちっとも理解できないけど。
珍しく誠意が伝わってきたのは確かで。

