5人の王子とお姫様!




『おぉーっとお!?学園きっての悪童、夏目光邦の引いたお題は……なんとなんとなんとぉー!!恋愛の“キス”だったあー!!』



と、実況が終わらないうちに、私の頭にポンと置かれた手。


振り向くとそこには、笑顔の光邦。



………え…。


まさか……



「借り物はこの子で」



……なんか、頭痛くなってきた。


混乱して無意識のうちに後退りしかけた私の頭を、今度は両手でがっちりホールドしてきた。


逃がす気は無いらしい。


……別に、逃げようとしたわけじゃないけど。



「……えーっと、聖たちは…?」


「…アホか天音。冗談言っとる顔やないで、それ。勘弁して」


嫌そうに顔を歪める光邦。


それを見て、ああ、と納得。


さっきすぐ側をうろついてたのは、偶然じゃなかったらしい。