5人の王子とお姫様!




もはや笑いを堪えきれない光邦の様子に、楓斗がものすごく不憫になった。


どうせロクなことが起こらなかったんだろうな、と推測しながら最後の麺をすする。



「何を勘違いしたのか知らんけど相手の女子が迫って、観衆の目の前で逆に楓斗にキスしてもうたんや。
楓斗は力の限り突き飛ばして口濯ぎに行くわ、女子は泣き出すわ、会場はこれ以上ないくらいに湧くわで、とにかくおもろかったわ」


「ぷっ…あっはは!えぇー何それぇ〜」



大笑いする琉羽。


私はというと、「ごちそうさまでした」と手を合わせてそっと立ち上がる。



「お前やっぱ根に持ってんだろ!!」


「当たり前や。天音を脱衣所に連れ込んだ報いを受けろ」


そんなやり取りを聞きながら、あれか、と思い出した。



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それは遡ること、私が琉羽と光邦と仲直りした直後。