5人の王子とお姫様!




困ったように笑って事実を告げる聖に、今度は光邦がとぼける番。


そんなやり取りを横目に箸を進める。



「へぇー、そんなことがあったんだねぇ。僕その時まだ中等部だったから全然知らなかったよ」


「あー、そういや楓斗も去年借り物やったなぁー」


「ぶっ」



定食を食べる合間に水を飲んでいた楓斗にまさかの矛先が向く。


楓斗、汚ない…。


そんな視線を向けると「吹いてねーよ!」と即座に返ってきた。



というか、思い出したふうに言うけど多分……光邦、わざとだ。


琉羽と光邦の冗談に楓斗は何だかんだ本気で返すからか、よく二人の餌食になっている。



まあ、いじりたくなる気持ちも分からなくはないけど……


したいとは思わない。



「そうやそうや、思い出した。しかも聖よりおもろいエピソードやったわ」


「それ以上言ったら本気で殴るぞ」