「とにかく恐ろしい代物だって言いたいんだろうね」
すると、それを聞いた光邦が呆れたような顔をした。
「他人事みたいに言っとるけどな、去年女子の被害の渦中にいたお前ならよう分かっとるやろ」
「ん?なんのことかな」
「おおう、白々しく嘘つきよったな…」
キラキラ笑顔の聖に圧倒される光邦。
琉羽が「え、なになに?」と言って詳細を聞きたがった。
……ちょっとだけ、私も知りたいけど、言わない。
「去年な、聖も借り物やったんや。そんでお題に沿って女の子選んでったらその場で告白されてな、まあ普通は押されるか流されるかなんやけど、普段と変わらない態度で聖はバッサリ振ったんや」
「よく知りもしない子とは付き合えないからね。それにお題の『女の子』も、光邦がその子って言うから連れて行ったんだよ」
「んあ?そうやったか?」

