のそりと立ち上がって入り口に向かう、寝ぼけ眼の空。
「…天音って実はすごいよねぇ」
ぼそっと呟く琉羽の声を後ろに、じっと空を見送る。
……だめ、今の空には障害が多すぎる。
今にも何かにぶつかりそうなくらいフラフラする空を支えに走った。
なんとか障害を乗り切って食堂に到着すると、思いの外騒がしかった。
ご飯どきだからこその混み具合に顔をしかめる。
「まだ聖たちも来てないねぇ」
「うん」
琉羽と一緒に中を見回す。
ここ最近、寮のみんなで集まって昼食を食べるのが日課になっていた。
食券を買って、食事の乗ったお盆を受け取る。
先に食べるって言う琉羽の後に続いて、隅の席に移動した。
「わぁー天音のうどん美味しそう。ちょっとちょーだい!」
「ん、いいよ」
昼食を食べながらするのは、朝の続き。

