とはいえ、本人に直接聞くのも野暮だし、わざわざ聞くほど気になっているわけでもない。
興味をなくすと、即座に頭から抜け落ちた。
「ごめんねぇ、邪魔して。でもでも、こればっかりは天音の意見も聞こっかなぁって思ったんだもん」
「……意見?」
何のことかさっぱり分からない。
首を傾げると、琉羽が驚いたような顔をした。
「え、もしかして忘れてる?もうすぐ体育祭だから、今日競技決めするって昨日の帰り先生が言ってたよ?」
昨日の帰り、寝ていたことだけは思い出せる。
教卓から四角になっているのをいいことに、机に突っ伏して堂々と夢の中だった。
「もぉー、ちゃんと聞いてないとダメだよ?ね、楽しみだねぇ」
「……」
いやだ、めんどくさい。
ワクワクする琉羽とは裏腹に、そんな事を思った。
と、先生が入ってきて「わ、やばっ」と口にした琉羽も慌てて隣の席に着いた。

