**
心配そうな聖と別れて教室に行く。
格別日当たりのいい席について、あくびをかみ殺した。
……眠い。
少し寝るかと体制を丸くして机に顔を埋めたけど、何かがのし掛かってきた。
「……なに」
重い……。
寝ようとしてるのに、それを邪魔する相手を不愉快だと言わんばかりに見上げる。
犯人は分かっていた。
「あはっ、そんな顔しないでよぉー」
「……」
「僕だってバレてた?」
「うん」
にこにこ笑ってまるで悪びれる様子がない琉羽。
睨み上げるのに力が入っていた表情を緩めて、じっと眺める。
……やっぱり、なんか違う。
琉羽の笑顔、変。
付き合いが長くなってきたからだろうか、歓迎会の時の聖の不自然な笑みとはまた別の違和感を時々感じる。
……嘘っぽい、っていうのかな。

