5人の王子とお姫様!




楓斗は私の声に反応しなくて、黙ってこっちを見つめてくる。


思案顔で、どうやら言いたいことがはっきりしていないらしい。



私から何かを言うこともなくて、じっと見つめ返す。


珍しく向こうから来たんだし、存分に待っていよう。


黙っているだけなら、疑問は感じても別に苦じゃない。



「……」


「……」



そうして視線を合わせ続けることに、先に耐えられなくなったのは言わずもがな楓斗だった。



「っだああ!!めんどくせー!」


突然の大声に、びくり。


な、なに……


言いかけた私の手を、いきなりぐいっと掴んでくるもんだから頭にハテナが浮かぶ。



手、触って大丈夫なのかな…。


そう思いながらも、歩き出した楓斗に黙ってついて行く。



引っ張られるまま連れられた場所は、寮に併設された共用の脱衣所だった。