考える傍ら、光邦が控えめに呟く。
「天音……まだ怒っとるんかな…」
室内が、いつになく静まり返った。
光邦を見ると、悩んでいるのか難しそうな、それでいて何とも言えない顔をしている。
……なるほど、反省はしているみたいだ。
それだけでも十分、修復には役立つだろう。
全く同じ思考の人間なんていないから、衝突するのは仕方のないこと。
結局は本音で和解するしかないのだから。
少し、後押ししてみるか。
「天音ちゃんが怒った理由については分かった?」
問いかけると、琉羽が小さく首を振る。
「分かんない。けど、それって絶対分かってないとおかしい事なのかなぁ?」
それは、どういう意味だろう。
柄になく、疑問が顔に出ていたらしい。
琉羽が躊躇いながら話し出した。

