「おはよう。琉羽、光邦」
「ふぁあ……んー、おはようさん」
「眠そうだね」
早く起きて来たにしてはパッとしない表情。
欠伸に加え、目の下にクマも見える。
どうやら寝不足らしい。
軽食で食べやすさはあるけど、やっぱりもう少しメニューを考えて作るべきだったな。
思い至らなかったことを悔やみつつ、洗い直した鍋を再び火にかける。
「……焦げ臭い…」
「はは、ごめんね。今換気しているから少し我慢して欲しいな」
顔をしかめる琉羽の言葉に覇気はない。
光邦も同様で、明らかに沈んでいるのが見て取れる。
招いた二人に非があるのは確か。
仕方ないと言えなくもないため、弁護する気はさらさら起きない。
かと言ってこのままというわけにもいかない。
天音ちゃんの方も、なんだかんだ行動は示してくるだろう。
その時は、いざとなれば間に割って入るべきか。

