確かに私は、人と関わるのを極力避けていたと思う。
自分のことに精一杯、余裕なんてなかった。
だから、当たり前。
こんな事をしたら結果、また卑屈になって。
「……みんな、嫌い…」
こうなってしまうんだ。
俯いて、唇を噛みしめる。
視界がゆがむ。
涙が零れ落ちそうになった。
——その時。
パサリ、とタオルが頭に降ってきた。
顔を上げると、立っていたのは知った人……だったけど。
「……聖…?」
目の前にいるのに、本当に本人なのかと困惑してしまう。
怒るでもなく、心配するでもない、感情の見えない無表情。
柔和な笑みを絶やさなかった聖の面影はどこにもなくて。
不安になった私は、くいっと聖の服を掴む。
聖がそれに何を思ったかは分からない。
無言で私の手をとると、唖然とした男子生徒たちに構うことなく歩き出す。

