5人の王子とお姫様!




先頭に出ると、主犯らしき男子生徒がテーブルに手を伸ばしているのが見えた。


並んだグラスの一つを無造作に手に取る。


満たされて中で揺れる飲料。



体が勝手に動いていた。



「一人のお前に味方なんていねぇよ」



振り上げられた手。グラスが動く。振りかざされる。


悪意たっぷりの罵声と、隠されない無慈悲な心。


視界全部がスローに見えた。



「さっさと消えろよ、クズ野郎」


前に進み出た瞬間。



バシャッ…



やけに近くで水のかかる音がした。



甘ったるい香り。


しゅわしゅわと泡立つこれは炭酸飲料なのか、ベトベトする。


現状にようやく思考が追いついた。



強張った体がまた動かない。


なんとも形容しがたい、ドロドロとした嫌な感情がせり上がって収まらない。