知り合いがいないって、何をするにも不安な環境を打開するために、叔母さんがいる学校に通わせることにしたんでしょ? 大丈夫、大丈夫。 みんな分かってるから。 「いってくるね」 「……いって、らっしゃい」 声をかけると、小さいながら言葉が返ってきた。 それで十分だよ。 小さく口端を上げて出発した。