残る手立て、話し合い。
「琉羽、苦し——」
「かわいいかわいい、かーわーいいっ!!」
「……」
=言語の食い違いにより、あえなく断念。
なるほど。
聞く耳持たずってこういうことを言うんだな。
勉強になった、と一人納得していると、琉羽の後ろから来た人物がべりっと引き剥がしてくれた。
「離れんか」
おお……
光邦が助けてくれた。
あの光邦が。
なんとなく感動を覚えてしまった。
光邦でもたまにはいい事をする。
かなり失礼なことを思っているのに気付かないまま、とりあえず色んな意味で危機は脱したと安堵する。
「もぉっ、みっつー何で邪魔するの!」
「んー?ちびっと天音のヒーローになるのも悪かないって思ってな」
「……え、本気で言ってるんじゃないよねぇ?僕でも引いちゃうよそれ」
「いや真顔で言わんかてええやろ。いつものジョーダンやって」
「ふぅうーん。へぇー、そーぉなんだぁ」

