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土曜日。


「ごめんねっ。部活で疲れてるのに……」


「いや。こちらこそ。わざわざ来てもらって、ごめんな」


午前の部活練習を終えた市原くんが、この間わたしから取り上げた模造紙を持って教室にやってきた。


「じゃあ、上総は時間割と係の表と座席表な」


「うん。わかった」



近場にあった机を適当にくっつけて、わたしと市原くんは分担した仕事を進めていく。


担任に借りた太字のマジックを、黙って握っていたのも束の間。



「へぇー。市原くんのお姉さんと柏田先生って同級生だったんだっ」


柏田先生というのは、通っていた中学の若い体育の先生でサッカー部の顧問をしていた。


「しかも、俺を通じて何年ぶりかの再会して……半年前に結婚した」



「えっ!? じゃあ、柏田先生が……お義兄さん」


同じ中学のよしみではじまったお喋りは、意外にも途切れずに盛り上がっていた。


そこへ、


「お疲れっ」


「隆丑っ!」

「二塚くんっ!」


何故か、大きなスポーツバッグを持った二塚くんが現れた。