好きな人とじゃないと手は繋げないとか

黙って二人で食事に行ったら浮気だとか



そんなことを本気で思っていた過去の自分が馬鹿らしくなる





成瀬さんとひとつになった夜。



どこまでも甘く優しい彼に好きの想いが積もった。



無神経にも
「俺に抱かれて喜ばない女は初めてだ」と言ったあなた



きっとこの想いを伝えたら
まためんどくさい女が一人増えたって残念がるのだろう




甘い夜が明けて朝になると



広いベッドには私一人で



いつも通りスーツに着替えた成瀬さんがパソコンをいじっていた。



まるで何事もなかったかのように振る舞う。



それは男の特権なのかもしれない



皮肉にも女の身体には一晩じゃ抜けきらないほどの違和感が下半身を刺激するのだから。




忘れられない夜はこの先の私をどこまでも苦しめた