「お客さんたちはどこに行けばよろしいですか?」 タクシーの運転手さんに問いかけられる。 私「えっとぉ…」 私は返しに困った。 成瀬さんの家も知らなければ 私が上司より先に帰るわけにいかないし 『飲み直さないか』 「え?あ、はいっ」 少し挙動不審になりながらも 成瀬さんと一緒にいたいと思っていた私は 突然の誘いに 不覚にも素直に返事をしてしまった。 『じゃあ、 そこの先曲がったところでお願いします』 薄暗い車内で見える 綺麗な横顔に見とれながら どこに向かうのかと期待を寄せた