辺りはすっかり暗くなってきた

“それではいまから点灯式を始めますっ”

司会の人の高く明るい声に
人がざわざわとあつまる


金曜の夕方
親子ずれやお年寄り、修学旅行生や観光客
点灯式は無事に終えることができた


綺麗にきらめくイルミネーションは
いつまでも眺めていたいそんな演出だった


“先に帰っとけ”という成瀬さんの声を聞いて
同じ場所に帰れる。
この後また会えるんだと胸が高鳴った。


東「中野さん!」


私「あ!東條さん
今回は短い間でしたがお世話になりました」

深々と頭を下げた。
度重なる失礼を私もしてしまったから

東「えぇ、ありがとう、」

え?私に?
東條さんがありがとう?

私「こちらこそ…ありがとうございました」


東「あなたとはもっと違う形で仕事をしてみたかったわ」


私「私も東條さんみたいなキャリアウーマンになれるように頑張ります」


東「ふふっかわいい。
また今度仕事で一緒になったときは仲良くしましょうね」


私「はい!よろしくお願いします」

さっきの可愛いは
はじめの頃のトゲがある感じではなく聞こえた。

成瀬さんを好きになったという共通点では
他にも気の合うところがあるのかもしれない…。