『なになに?
江莉が男の人のこと聞くなんて珍しいじゃん!』


「別に。そういうやつじゃないから」


気づけば居酒屋についていて
流れるように生ビールを注文していた。



“男に興味がない”


そう佐紀とか成瀬さんにもまで思われてるけど、
かたくなに恋愛をしたくないわけじゃない。


そういう雰囲気になる男性が会社の中にいなくて、
仕事で精一杯の私に恋愛する時間がないだけ


あとは好きになるという感情に
人よりもなりにくいのかもしれない。



『実際のとこどうなのよ!』


「なにが?」


『んぅもぅ!成瀬冬馬!』


「いや、どんな人か掴めなくて聞いただけだよ」


『なるほどね〜!
って俺様スパルタ上司って成瀬さんのことだったのね!』


「うん、そうそう」


そんな風に佐紀に会話を合わせながら
焼き鳥を頬張った。