真「成瀬も最後お前とペア組めてよかっただろうな」
え?
私「最後?」
真「え?聞いてなかったのか?」
私「はい?」
真「なんだお前にくらいには言っていると思っていたが…」
私「どういうことでしょう?」
真「あぁ上がな、成績のいい若い奴は引き抜きたいらしくて…」
私「そうなんですか。
でも、来年度の人事までまだ…」
そうまだ9月。
なんで最後なんて…
真「いや、冬はクリスマスイベントで
別の課の推薦組が集まって他の会社と合同で色々やるんだよ」
…っ!ってことは、本当にこの部署で成瀬さんと仕事するのは最後かもしれなかったのか…
真「まぁ、寂しいが、中野という後輩を育ててくれたっていうのは嬉しいことだ」
私「いや、でも私はまだまだ、
今回だって成瀬さんについて回ってたようなもので」
真「そりゃ上司の方が出来て当たり前だ。
たしかに成瀬が出て行くのは早すぎるとも思う」
私「じゃあなんで」
真「ただ、上の意向ってことと、
中野は自分が思っているより仕事ができるし
根性もある。この部署を中野に任せるっていうの1つの目的なんだ」
私「えっ……」
急に突きつけられた現実
期待という重圧。
さっきまでの浮かれた心は一気に地に落ちた



