『なんか江莉のまえだと余裕ない』


まるで彼氏のような言葉
今度は私の体にもたれかかるように成瀬さんの体重が一気にかかる


「成瀬さん……?」


思わず抱きしめてしまうような初めて見る
成瀬さんの甘える姿。


『熊本出張の日からお前に触れたかった』


「え?」


嘘みたい。
成瀬さんも私とおんなじこと思っててくれたなんて。


『あの日から一ヶ月近く会えないし
やっとまともにあえた頃にはそれまでのイライらが溜まってて八つ当たりしちゃうし、
仕事はまともにできてないしかっこ悪りぃ。』


こんな余裕のないと言うか
いつもの成瀬さんからは到底想像できないような姿…。

やっぱり佐紀のうちで飲んだお酒がこうさせているのだろうか。


「成瀬さん??」


ずっしりとした重みが急に来たと思ったら…


寝てる?


寝不足って言ってたもんね…


私は成瀬さんの体を起こし引きずりながらもベッドに移動させた。