一週間が過ぎたけど日野先生からの連絡はないまま

ちゃんと出れば良かった、、、
後悔ばかりがどんどん増えていく


病棟にカルテを届けるように頼まれた私は
一人分なのに、分厚くて重いカルテを持って、病棟の
ドアを開けた

「お疲れ様でーす」
「あ、お疲れ様ー」

私に気付いたナースたちが口々に挨拶をする

そのなかで一人暗い顔で黙々と入力してる倉科さんがいた
いつものふわふわな笑顔とはだいぶかけ離れた顔


そっと近付いて声をかけた

「倉科さん、お疲れ様」
「あ、奏さん、お疲れ様です」

彼女は途端にいつものふわふわな笑顔を見せてくれた
さっきのは、、、気のせい?

「なんか元気ないみたいだけど?」

そう言うと、色素の薄い茶色の瞳が一瞬だけ揺れた


PCに視線を戻した倉科さんは消え入りそうな声で

「怒られてばかりで、、、私、向いてないんですかね」

彼女らしからぬマイナスな発言に私は相当な何かが
あったんだと、察した
仕事終わりに聞くからとその場を離れ診察室に戻る


倉科さんのことが気になりつつ、私は手早く仕事を
終わらせた