先生の唇がようやく離れたときには私の息はあがっていて
上手く喋れず、起き上がろうと頭をあげた私に
今度は首筋、鎖骨へ下りて、身悶えする私を見て
楽しそうに笑ってる

悪魔だ
悪魔と呼ぶ以外にない


「もう、や、めてっ、、、」
「やめない」
「こんなの普通じゃない!先生を軽蔑します」

ピタッと先生の動きが止まった

「どうせ、もう会えなくなる。だから、
想いを残したくはない」
「え?どういうことですか?」

近藤先生は身体を起こすとソファに座り直した
私も乱れた髪をサッと直して隣に座った

「東京に行くんだ。ヘッドハンティングされてさ」
「、、、いつ?」
「来月末には、、、そしたらもう、会いたくても
会えないだろ?恋人でもなんでもない俺らがさ」

そっか
それで、近藤先生の態度が豹変したんだ
事の真相は判明したけど、なぜかモヤモヤする

近藤先生は力なく笑った

「私を抱けば想いを残さずに東京に行けるんですか?」

我ながらなんと言うことを口走ってるのかと
呆れるほどだ

だけど、報われない想いは断ち切らなきゃない
未練を残して心が落ち着かないのは気持ちが悪い
都合のいいようにしか聞こえないかもしれない

単に軽い女だと思われるかもしれない

でも、私には近藤先生の気持ちが分かるから
近藤先生もかっしーも、そして私も
届かない想いを持ってる


「なに、言って、、、」

驚いて凝視する先生に私はふたたび口を開いた