翼は、呆然としたまま次の日を向かえた。

「かあさん、優香里知ってるよね?」

朝の食事中聞いた。

「優香里ちゃん?知ってるわよ。元気かしらね。」

「転校するって…。」

「え!何で優香里ちゃんの家が?」

母の話はこの団地中に1日で噂が飛び火した。

「おはよう、わたしのナイト様。」

「あ、おはよう。」

「転校するって内緒ね。」

「あ、母さんに今朝話しちゃった。」

「え!白石君のお母さん…。」

今頃、団地中に広まっているはずだ。

後悔、後悔…。

「まぁ、いつかは分かる事だから。」

「それよりさ、エロい事考えない?」

「考えてないよ。昨日の話の流れからして3ヶ月で出来る事って難しいよ。」

「なーんだつまらない。セック○しないの?した事ないの?」

「した事ないよ。まぁ、セック○には興味あるけどね。」

優香里は、少し考えて交換日記しない?

と聞いて来た。

王道だと思って「うん。」と答えた。


交換日記。

今日はハッピーでクラスメイトの大野君から告白されて

壁ドンされちゃいました(*´∇`)

優香里。

モテるんだね。

白石翼。

「これじゃあ、つまんないよ!」

優香里は、ノートを丸めて翼の頭を容赦なく叩いてくる。

「交換日記って難しいよ。特に書く事ないし。毎日会ってるしさ。」

「てか、気になるでしょう?普通は。大野君とどうなったか。」

「確かに気になるね。」

「どうなったか聞きなよ。」

優香里は、楽しそうに聞いてきた。

放課後の教室で。

「じゃあ、どうなったの?」

「教えなーい!」

「聞いた意味ないじゃん。」

優香里は、またキャキャと笑って翼の頭を容赦なく叩いてくる。

ふと翼は、優香里の手首を掴んでキスをした。

「いきなりはずるいよ…。」

優香里は、泣きそうな顔をした。

「ファーストキスだったのに。」

「マジ?」

「マジだよ!バカバカ!」

「ごめん。」

「まぁ、いいか。減るもんじゃないし。」

とけろっとしている。

「ねぇ、ドキドキした?」

「ダーリンは草食系だとおもっ…。」

また、翼はキスをした。

今度は長く。

キスって気持ち良いね。

2人は、お互い笑いあった。