森園先輩は嬉しそうに、また写真の方に視線を移した。
「太陽が一つの色では言い表せないように、あいつにもいろんな色があるだろう?」
私は力強く頷いた。
満足そうに笑った森園先輩はこうも言った。
「垣谷さんの話をするようになってからは、尚更増えた気がするよ」
「私の話を……?」
そうだとしたら、嬉しい。
少し前までは、この感情に名前があるだなんて思いもしなかった。
だけど、今なら分かる。
窓の外からは、オレンジ色に染まった陽の光が差し込んでいる。
もう文化祭も終わりの時間が近付いている。
ふと、気になっていたことを訊いてみた。
「森園先輩は、どうしてここにいるんですか?」
「……俺はたぶん、みあがここに来るのが分かってたから、かな?」
その言葉に私は首を傾げると、口元に拳を当ててふっと小さく笑った森園先輩。
「イチを探しに来たんだろ?あいつなら、たぶんあそこにいるんじゃないかな」
この場所以外、他にイチくんが行きそうな所って……?
考えていると、その場所を森園先輩が教えてくれた。
「そこって……」
信じられなかったけれど、他に探すアテはない。
「急いで。もうすぐ時間だ」
その言葉を合図に、私はまた走り出していた。
早くイチくんに会いたい。
会って確かめたいことがある。
伝えなければいけないことがある。
ねえ、イチくん……。
あなたの覗いているカメラ越しの世界は、どんな色をしていますか?
カメラ越しのあなたの笑顔は、いつだってお日様のように輝いているから。
あなたの光に照らされて、あまりの眩さに目を背けそうになるのだけれど。
叶うなら、私はこれからも、傍であなたの光を感じたい。
何かのために一生懸命になりたい。
誰かのために泣いたり、笑ったり、怒ったりだってしたいと思えるようになったの。
だから、だからね……。

