「私、好きでした。写真部のみんなと過ごす時間が、あの空間が。それなのに、私は……」
「大丈夫。誰もみあのことを責めたりなんかしてないよ。むしろ、みあにとっては必要な時間だったんだろ?俺たちはみんな、それが分かってたから、無理に引き戻そうとしなかった。みあの気持ちの整理がつくまで、じっと待つ方法を選んだんだ」
「分かってたって……え?」
森園先輩の言葉にぽかんとする。
「俺たちは、イチに頼まれたんだ。どうしても助けてあげたい子がいるんだって、その子の笑顔が見たいんだって」
「それって……」
「そう、君のこと」
やり方は無茶苦茶だったかもしれないけどね。
そう言いながら、森園先輩が目を細める。
笑った時に眉が下がるところは、久しぶりに会った今でも変わっていない。
「……そんなことありません。イチくんといるとお日様の光が差したように心の中がぽかぽかとあったかくなるんです。心から大切だと思える時間を教えてくれたのは、写真部のみなさんなんです……」
最初は振り回されているとばかり感じていた日々が、いつの間にか好きになってしまっていた。
森園先輩は、風景写真が集まる場所にゆっくりと歩いて向かい、空と太陽の作品にそっと触れながら呟いた。
「太陽か……」
そしてくるりとこちらに振り返った森園先輩と目が合った。
「じゃあイチは垣谷さんにとって太陽ってわけだ」
「……はい」
「太陽が身体に良いのは知ってる?もしもイチのおかげで垣谷さんが笑えるようになったのだとしたら、イチにとってそれ以上の愛の告白はないよ」

