ドクン ドクン 緊迫した空気の中、目の前に座るカイトは落ち着いているように見える。 西国の王子なのに、カイトは護衛兵を一人もつけていない。 その上での、私たちに対する挑発ー… いくら王子とはいえ、他国でこんなことをすれば殺されるに決まっている。 殺されにきたのか? それとも… 「…カイト、本来の目的を話せ」 一人で来なくてはいけない理由があったのかー… 「話さなければ、今すぐ強制送還する」