春の魔法

美影と氷翠さんの姿が完全に消えると、俺は、瑠梨さんと向き合う。

「…俺は――」

「琥白くん」

覚悟を決め、俺が瑠梨さんに告白をしようとすると、瑠梨さんは、俺の話を遮った。

「何だ?」

「ありがとう。琥白くんが居なかったら、氷翠に秘密を打ち明けることが出来なかったと思う。全部、琥白くんのおかげなんだよ。友達に戻れなくても、言えてスッキリしたんだ」

瑠梨さんは、優しく微笑む。いつもの笑顔よりも輝いて見える。そんな瑠梨さんの笑顔を愛おしく思えた。

「私、琥白くんのことが好きなんだ…!!」

瑠梨さんは、泣きながら叫んだ。俺は、瑠梨さんを抱きしめた。多分、瑠梨さんは顔を赤くしているだろう。

「俺はな、1年生の頃から瑠梨さんが好きだった。…美影に色んなことを相談してた。どうしたら良いか分からなかったからな…」

風に吹かれて、桜の花びらが散った。

「瑠梨…!俺と付き合ってくれ!!」

風に揺られた桜の花びらは、俺と瑠梨に優しく降り注ぐ。

「よろしくお願いします」

瑠梨が微笑んだ。俺も一緒になって微笑む。

まるで、俺達を祝福するかのように。

桜の花びらが舞い落ちながら、太陽に照らされて輝いていた。