次の持ち場は、年中組のクラス。

担当者は、朝のバスでお世話になった彩先生だった。

まだ1年目だと言う先生は、かなりしっかりしているけど

短大卒の先生は、実は一つ年下だったりする。

朝の活動から始まって、お絵描きに卒園児へのプレゼント作り

お弁当に外遊びにお帰り用意と大忙しの一日だった。

「お疲れ樣。
航先生は、ホントにこの仕事が大好きなんですね。
でも、これからはずっとだから
実習のように飛ばしすぎると、大変になりますよ。
1年間ずっと同じペースで頑張らないと
子供は毎日ですからね!」と貴重なアドバイスをもらった。

一足早く職員室に戻って、今日の日誌を書いていると

賑やかな声が沢山聞こえてきた。

「大丈夫だって!」

「唯ちゃんは、相変わらず怖がりだから。」

「唯ちゃんじゃなくて、唯先生だろう。」

「ほらっ。
こんなウルサイ先生を怖がらなくなったんだから
大丈夫だよ。」

「別に唯先生が担当じゃないんだし。
元気になるチョコあげるから。」

唯ちゃん。

懐かしい名前に振り向くと……………

まさにその唯ちゃんがいた。

……………………………………。

固まる僕に

「あっれ~
新人君、早速唯ちゃんに惚れちゃった?
でも、この子はみんなのアイドルだから許可無く近づいちゃダメだからね!」と

海晴先生が釘を指した。

やっぱり間違いない。

あの唯ちゃんだ。