「君の父親には昔から迷惑をかけられっぱなしだよ。あいつは、お人好しなところしか取り柄がないからね。まぁ、そんな性格のせいで今回も借金肩代わりすることになって娘にまでこんなことさせてるんだから……呆れる以外の言葉が見つからないよ。さ、始業式の準備があるから、2人とも早く出て行ってくれ」
「ちょっと理事長!」
「……」
何も言い返せない。
理事長の言っていることは事実だから。
それでも──────。
「父の分まで頑張ります!よろしくお願いします!」
パパだって、今、必死に借金返そうと、海外に出稼ぎへ行って頑張っているんだ。
私だってパパの力になりたい、パパを助けたいから。
私は、理事長に深く頭を下げてから、理事長を後にした。



