明人さんはいつものことだと言わんばかりにお菓子の袋を開けて一口、また一口と口の中に放り込んでから、袋を私に手渡す。
「あの、いいんですか?こういうの」
「あぁ、いいのいいの。誰も見ていないんだし」
誰も見ていないって、そういう問題なのかな。
それでも、私もたくさん働いた後で小腹が空いていた頃。食欲には勝てず、袋の中に手を伸ばした。
「ん!美味しい!」
パリッと口の中で割れるポテトチップスは頑張った身体に染みて最高だ。
「あっ、美味しいといえば!明人さんの作る中華、すっごい美味しかったです!びっくりしました!」
「まぁね〜。プロ並みってわけではないけど、料理は得意だよ。色んな店で鍛えたしね」
「へ〜すごいですね!私なんてああいう手が凝った料理は苦手で……」



