じゃあ、早凪くんを呼んだのは、莉々ちゃんの足を心配した翼くんや瑛斗くんたちの提案?
「莉々、見せて」
私のとなりにいた早凪くんが莉々ちゃんのところへと駆け寄って、莉々ちゃんの座るソファの前でひざまずいた。
「……いいっ」
莉々ちゃんはそう言って足元をソファにおいて、体操座りになり足を手で隠すように引っ込める。
「莉々、ちゃんと手当てしないと悪化したら」
「別にいいの!」
「よくないだろ?傷残ったらどう……」
「だからもういいの!お嫁に行くの決まってるわけだし、向こうだってこんなのなんとも……!」
え?
お嫁?
向こうだって?
莉々ちゃんの言葉に、その場にいた全員が目を見開いて驚いた。
ただ1人、早凪くんだけは動じることがなくて莉々ちゃんのセリフの意味を理解してるみたい。