「だからね!慌ててお母さんにそのこと伝えたら、早速特注でみんな分浴衣用意してくれて!!」


「えっ、と、特注?!」


「ゆるちゃんはね、金魚の柄なんだ〜めっちゃかわいいよ〜!お母さんが、これは是非ゆるちゃんに、だって!」


翼くんは、驚く私におかまいなしにそう言って紙袋から浴衣を取り出した。


「うわ……すっごくかわいい」


「でしょ〜?」


得意げにそういう翼くんだけど……。


「ど、どうして、翼くんのお母さんが私のこと知ってるの?」


「ふふーん、この前お洋服着てもらった時、ゆるちゃんのことバッチリ撮ってたんだ〜!それ送ったらお母さんすっごくテンション上がっちゃって」


「ええっ……翼くんのお母さんに送っちゃったの?」


私の許可なしにそんなことされて、普通なら叱るところなんだろうけど、翼くん相手だとどうも怒る気になれない。