「昔から甘やかされて育ってるせいで典型的なお嬢様気質なんだ。どこに行ってもわがままだから、学校で莉々はずっと1人でさ。莉々、女友達出来たこと一回もないんだよね」


「……っ、」


「でも、家でひとりぼっちだった俺は、毎日遊びに来てくれてた莉々に助けられていた。莉々といると1人じゃないんだって思えた」


「……そうなんだ」


正直、今すぐ耳を塞ぎたい。


「だから、俺は莉々の扱い方をよく知ってる。莉々があんなこというのは、俺のことしか知らないから。もっと莉々が自分の世界を広げていろんな人と関わればあいつの見方も変わると思う。だから、ゆる、あいつと仲良くしてほしい」


「へっ……」


まさかの発言に、思わず顔を上げる。


てっきり、早凪くんの莉々ちゃんへの思いの丈をぶつけられるんだと思ってた。


なのに、仲良くして欲しい……って……。