「そうですよ。ゆるが特別寮に入っていく写真を撮ったのは私」


顔を上げた円が瑛斗さんの顔をまっすぐみてはっきりとそう言った。


そのセリフを聞いた瞬間、心臓がドクンと大きく鳴って、手のひらにじんわりと汗が出る。


あんな風に、私に気さくに声をかけてくれた円が、まさか私の秘密を知って、写真を教室に晒したなんて。


信じたくないって気持ちと、素直にショックな気持ちが混ざって、足がガクガク震える。



「なんで、そんなことしたの?」



優しく問う瑛斗さん。



「なんでって……ムカつく、から」



「円……」



これからもっと仲良くなれるかもしれない、そう思ってた彼女に、はっきり『ムカつく』と言われてしまった。


もうショックで倒れそうなぐらい、頭がクラクラする。