「嘘……開いた」


「何言ってるの、当たり前でしょ?」


瑛斗さんが笑いながら部屋へと入っていくと、その後ろを翼くんがついていき、2人がVIPルームへと入っていく。


「わぁ〜ここからの眺め最高じゃ〜ん。ほら2人もおいでよ」



部屋の中央にある大きなソファーに座った翼くんが、目の前のガラス張りに向けていた目線をこちらに向けてそう言うので私も恐る恐る部屋へと入る。


私の後ろに立っていた早凪くんは、ガラス張りに見向きもしないで、そのまま奥の部屋へと進んでいった。


「わぁ……」


ガラス張りに目を向けると、ラウンジが一望できるのはもちろんのこと、校舎の中心にある中庭の木が太陽に照らされていてよく見える。


「すっっごく綺麗」


「ほんと。こんないいとこならもっと早く来るんだったよ」


「なんで、ずっと来てなかったんですか?」


くるっとソファーの方へ視線を向けると、瑛斗さんがいつのまにか用意していた飲み物を差し出してくれたので、お礼を言って受け取る。