「あ、じゃあ、せっかくだからゆるちゃんが開けてみれば?」
「えっ、そんなっ」
翼くんの突然の提案に慌ててしまう。
なんてこと言うんだ翼くん、私が開けるなんて、そんなこと…!
「早くしないと授業始まる」
「うっ……」
まさかの早凪くんにも急かされてしまい、私は渋々、胸ポケットに入れていたゴールドのカードを取り出す。
「ここのセンサーにかざすの」
そう言って瑛斗さんが指差したドア横のカードキーセンサー。
うわぁ。
これ、本当に開くのかな、私のカードで。特別寮の3人と同じゴールドカラーだけど、私は3人みたいにお金持ちじゃないし、仕様は少し違うんじゃ?
そんなことを頭の中でぐるぐると考えながら、遠慮がちにカードをかざす。
これで開かなかったら恥ずかしい。
そう思っていると、
ピッ
と電子音が鳴ったと同時に、目の前の扉が自動で開いた。



