「これより、第83回 星音学園高等学校、始業式を開始いたします」
明人さんに家の案内をしてもらって、私は今、無事に星音学園の講堂で、始業式に出席することができている。
一番後ろの席に、さっき職員室で話をした40代くらいの男の先生の隣で。
明人さんに職員室まで案内してもらって、先生に無事会う事が出来たけど、少し話した感じだけでも、優しそうな先生だって印象で、緊張が和らいだ。
講堂もすっごく立派で、よくテレビでみるオーケストラが演奏するコンサート会場のよう。
関わることがないと思っていた世界だったのに、今、ここにいる生徒と同じ制服を着ているなんて。
胸元のリボンにチラッと目を落とす。
グレーとピンクのストライプリボン。
ここにいる女の子はみんなこのリボンをしているんだ。
「生徒会長代表挨拶、日比野 瑛斗くん」
司会の人がその名前を口にした瞬間、会場が一気にざわつきはじめた。



