「へぇ、呑気にサボりね。やっぱり家政婦と学業の両立は君には難しかったんじゃないか?」


っ?!


少しの間、目をつぶって考え込んでいたら、


聞き覚えのある、穏やかなのにどこか貫禄のある声に、グテッとなっていた身体を慌ててまっすぐにして、声の方を見る。


「や、山寺理事長!」


目線の先にいた人物に目を疑って、思わず立ち上がる。


ほんっと、今日は災難な日だ。


なんだって、こんなサボってしまっている時に、始業式以来全然会ってなかった理事長と会うって言うんだ。



「す、すみまっ────」



「ああ、いい、いい。とりあえず座りなさい」


理事長はそういうと、私の隣の席を一つ空けてから、腰を下ろした。


小さく「はい」と返事をして、私も座る。


言われることを一回で聞かないと、理事長の機嫌を逆に損ねてしまうかもと思って黙って言う通りに。