「なにこれはこっちのセリフなんだけど?あなた、どういうつもりでその制服着ているのかしら?」


ゆるく巻かれたブラウンヘアを耳にかけながらその子が言う。



「えっ、いや、これは……」


どうしよう、思うように言葉が出てこない。


心臓がバクバクと嫌な音をたてて、冷や汗がじわっとでる。


みんなに嘘をついて、格下のくせに同じ制服を着て、まるで同じかのように装って。


そりゃ、みんないい気持ちしないに決まっている。


でも……まさかここまで目の敵にされるとは。


「どう言う卑怯な手を使ったのか知らないけど、あなたみたいな下層階級の人間がこの学校にいてしかも同じ制服を着てるってだけでありえないのに、あの特別寮でメイドですって?ふざけないでよ!」


「……っ、」


どうしよう。
なにも言えない。


感覚が麻痺していた。明人さんや特別寮の3人に優しく迎えてもらえて、もしかしたら、クラスのみんなだってって、心のどこがで思ってたりもして。


でも、違う。


そりゃそうだ。


でも……。