中に入るとまっすぐ廊下が伸びていて、ドアのすぐ右には、2階、1階に降りる階段。
左側にも上に続く階段があった。
「ここの階は主に、倉庫。2階はそれぞれ寮生たちの部屋があって、1階に厨房、リビング、共有スペースがある。そして、この上が屋根裏部屋」
「屋根裏部屋?」
「そう。これからゆるちゃんが暮らす部屋だよ」
暮らす……部屋?!
スタスタと階段を上っていく明人さんの背中を追いかける。
階段を上り終わると、右手に茶色のドアが1つ見えた。
────ガチャ
明人さんがドアを開けて中に入ると、ギィと床の軋む音がした。
「さ、ここが、今日からゆるちゃんが暮らす部屋だよ」
木とほんの少しホコリの匂いが混ざった香りと、部屋の奥の小さな窓から差し込む太陽の光。
「す、素敵……」
思わず声が漏れた。



