クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。



きっと円の言う『お家の用事』は私が考えられないようなすごいレベルのことを言ってる気がするけど、ここは話を合わせるために「そんな感じ」とだけ返事をする。



私が特別寮のメイドをしてるなんて思っても見ないだろう。



「あ、そういえば、円もお弁当なんだね」


この学校の子は基本、レストランの料理を食べてるらしいから、円がお弁当なんて意外。


「うん。自分で料理ぐらいできなきゃって思ってね。家柄のせいで、何もできない女なんて思われたくないし」



「えっ!円自分で作ってるの?!」



「うん。まぁ、食材は母親が送ってくれるから。そんな大したものは作れないんだけどね」



「いや、すごいよ!」


円のお弁当をチラッと覗くと、本当に色鮮やかで、栄養バランスもしっかりしてそう。



円の好感度急上昇中だよ。
この世界にも、こういう普通の考えを持っている子がいると思うと嬉しくなる。



「ありがとう。ところで、ゆるは寮では暮らさないの?」



「えっ……あぁ、」