似てる?
誰に?
わけがわからなくて首を傾げる。
「中学の時、あたしをイジメてた女子とあんたが似てんの! 同じような身長で、クラスのリーダー格で、声まで似てるし、ぶりっ子だし。おまけに……草太と仲いいし。顔は似てないけど、雰囲気がとにかく似すぎてて、うざいんだよ」
またギロッと睨まれた。
「そ、そんなこと亜子に言われても……」
「わかってるよ、わかってんの! こんなことをしても、草太が振り向いてくれないってことくらい。あんたに言われなくても……わかってる」
小さくて弱々しい声だった。
「それなら……」
「わかってるけど、どうにもならないことってあるじゃん。あたしをイジメてた奴に似てるあんたが、草太に好かれてるって……あたしの中で、どうしても許せなかったんだよ」
わかるけど、わかりたくないような。それでも沢井さんのしていることはまちがっている。沢井さんも、それを認めてくれた。
きっと今までたくさん葛藤してきたんだろう。だからって、許せるわけじゃないけれど。
「謝ってほしいとは言わない。とりあえず、教科書だけは返してくれないかな……?」
「ほかに借りる友達がいないって、さみしい人だね、あんたも」
ズズッと鼻をすすりながら言う沢井さんは、もう私を睨んではいない。



