「亜子、今日は来てくれてありがとう」
遅れて咲希が高木君の隣に並んだ。
「きれいだよ、咲希ー。絶対に幸せになってね!」
「ふふ、ありがとう」
咲希は幸せそうに笑っていて、もうそれだけで私はお腹いっぱい。
「高木君、咲希を泣かせたりしたら絶対に許さないからね?」
「大丈夫だって。なんたって、俺が咲希ちゃんにベタ惚れだからさ。二年かけて落としたんだよ?」
「恋愛に興味がなかった咲希を落とすなんて、すごい執念だよね」
「俺の愛がそれほど大きかったってことかな」
「もう、なに言ってんの!」
咲希はそう言ったけど、その頬はゆるんで幸せに満ちている。
「お幸せにね! またふたりでうちに遊びに来てね」
「当然! またゆっくりゆずちゃんに会いに行くね」
「俺も俺も!」
「拓也は当分来んな」
草太はボソッと悪態をつく。
これで大手商社のナンバーワン営業マンだっていうんだから、笑っちゃうよね。
家族を支えるために日々がんばってくれてるから、私もがんばらなきゃ。
「じゃ、披露宴も楽しんでってね! これからも末永くよろしく」
ふたりは式場の人に呼ばれて草太にゆずを託すと、名残り惜しそうに去って行った。
私はそんな高木君に笑顔で手を振った。
「なんで拓也に笑顔で手ぇ振ってんの?」
「え?」
思いっき咲希に振ってたんだけど?
「ゆずも取られた上に、亜子まで……」
「なに言ってんの。亜子の一番は、草太だよ?」
「え?」
「これからも、ずっとずっとずーっと……亜子の一番は永遠に草太だけだから」
私は草太にさっき以上に笑ってみせた。
これから先も、草太とだったら大丈夫。
この人とずっと一緒にいたい。
だからさ、これからも末永くよろしくね?
【俺がきみの一番になる。】
Fin.



