お互いに恥ずかしくなって、顔を見合わせたあと、うつむいた。
「か、母さん、夫婦になるのはまだ早いんじゃないか?」
「そうかしら? 私たちも二十歳で結婚したわけだし、そうは思わないけどね」
「は、ハタチ……」
すごい若くで結婚したんだ?
ってことは、あと三年後!?
す、すごい、そんなの想像もできない。
「俺はいつか亜子とできたらって思ってるよ」
隣でボソッと草太がつぶやいた。その声は愛を語り合うふたりの耳には届いていない。
「な、なに、言ってんの……」
いきなり話が飛躍しすぎだよ。
「亜子はちがうのかよ? できれば、その初めても俺がもらいたいんだけど」
な、なんなんだろう、これは。
恥ずかしすぎて言葉が出て来ない。
「俺は、本気だから……」
「う……」
恥ずかしくて固まっていると、草太が私の手の上に自分の手を重ねてきた。
暗くてよかった、本当に。
真っ赤になりすぎて、りんごみたいだよ。
「俺はこの先もずっと、亜子のことだけが好きだから。朱里のことはなんとも思ってない。興味すらない。それなのに、亜子の気持ちをわかってやれなくてごめん……」
「ううん、草太は悪くないよ。これからは、不安なことちゃんと言うからね」
「うん、俺も。できるだけ気持ちを伝える」
……ありがとう。
草太、大好きだよ。